阪神間モダニズムその20 〜ヴォーリズとバイオリン〜 2013/11/2
jpeg 【阪急百貨店】
阪神間モダニズムのお散歩もその20となりました。その1を見直してみると2013.3.16に甲子園ホテルに行っています。 そのときにはその10ぐらいまでやるって書いてますが、面白くってやめられなくなってしまいました。
阪神間の近代建築を見て回りたくなった原因は、阪急百貨店の建て替えにあります。まだ子供の頃、母に連れられて阪急百貨店へよく 行きました。屋上遊園地で遊んだり、大食堂でお子様ランチやオムライスを食べさせてもらうのが楽しみでした。地下の食料品売り場は なんか独特の(伊達巻きかなにかの良い)匂いがした思い出があります。それがとうとう建て替えということで、昔のそれを調べているうちに「阪神間モダニズム」という時代の節目に出会ったのです。
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阪急百貨店うめだ本店には旧本店のパーツがいくつか残されて(移植されて)います。これはグランドビルとの間にある コンコースにあった立派な時計。今は9階にあります。
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コンコースの天井や豪華なシャンデリアも残されています。13階にあるシャンデリアテラスというメインダイニング?です。
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モザイク画もちゃんと残されています。すごい豪華。すごい! これ、東京でもなかなかないでしょう? 小林一三さんの特集も 近いうちにやろうと思います。
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こんな木の柱も残されています。基礎に使われていた80年前の杭だそう。
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旧本店の階段の踊り場にあった壁がレリーフとして13階に使われています。
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旧本店の大食堂の壁には丸い窓があったのを覚えている方も多いでしょう。それもちゃんと残されていますよ。
と、いうわけで阪モダ20は阪急百貨店からスタートしました。外からの写真は今日のそれですが、内部は一昨日の木曜日、 会社の帰りに寄ったときのものです。
jpeg 【阪神前】
阪急百貨店の前にある交差点は阪神前の交差点です。その中心には地下街の通気口が突き出ています。これ、阪急から阪神へ 行くときの歩道橋からよく見えるあれです。ちょっとデザインが凝ってるなぁと思いませんでしたか?
これは村野藤吾さんの作品なんです。うちのブログの阪モダ14に出てくる【大庄公民館】を設計された方です。
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阪モダの百貨店といえばこれは外せません。大丸の心斎橋。1920年の竣工です。こちらはそのまま残っています。 なんと、ここはヴォーリズさんの作品です。アールデコな装飾をちりばめたネオゴシック様式。阪モダその20まで やって、改めてこれを見直すと、そのすごさがちょっぴりわかるようになってきました。
御堂筋に面したこの玄関には今でもドアマンがちゃんと居て、クルマで来たらクルマのドアまで あけてくれます。百貨店で他にはもうないのでは?
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玄関の天井。ほー。お花の絵は陶器なのかな?神女図書館の天井とはまたちがうのですが、エキゾチックな 共通点はあるなぁと感じました。
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玄関を入ったらすぐ横に建物の紹介板がありました。
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一階のアールデコな装飾。何度も来たことがあるデパートなのに改めて感動です。 先日、ここで結婚指輪を買いましたっ。先日といっても25年ほど前ですが。
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階段の踊り場には水飲み場があります。そして中階があったりします。天井の梁が低くて私は完全に頭があたりますが。
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おっと、見落とすところでした。
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中2階にはヴォーリズの名を冠したサロンがあります。写真はコースターです。そしてヴォーリズのサイン。 丸に点はどのような意味があるのでしょう?これはママの推測ですが、先日読んだ本『負けんとき(上/下)』という ヴォーリズの奥さん(一柳満喜子さん)を語る本で、近江八幡は日本の中心というエピソードがあるのですが、それを 表しているのでは?という推測です。もしくは一粒社の意かもしれないです。
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このサロンでランチ。うま!少な!ビールない!
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もう少しだけ装飾を。
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これ、エレベータ。ひゃーっ。こんなエレベーターのドア初めてみたぞ。階表示も すばらしい!
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心斎橋筋側はこんなクジャク。
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サイド面。
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屋上には鐘が。
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もう一度、御堂筋側の玄関。クジャク,クジャク,たか,たか,たか,ペリカン,ペリカン,ペリカン。 どこかわかりますか?
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玄関ドア拡大。あれ?よく見ると見慣れたマークが。あれ?なんか関係ある?まさか?え?
もうすぐ秋の大散歩(丸の内)やります。そのときにはコンドル先生特集やるかもしれません。 またそのときに。
jpeg 【うめだ】
うめだに戻ってきました。ランチは少なくってビールもなかったのでホワイティ梅田の串カツ屋でちょっとおやつ。 おっと、二度浸け禁止やで。
jpeg 【神戸ゴルフ倶楽部】
阪急電車をぶっ飛ばして?阪急六甲駅。そこから路線バスで六甲ケーブル下駅。更に観光バスで六甲山上にある 神戸ゴルフ倶楽部にやってきました。ここはウチのブログでも登場(六甲縦走その8)しました。このクラブハウスは ヴォーリズさんの作品です。日本最古の歴史ありまくりのゴルフ場、そうそう一般人は入れません。でも今日は入れて もらえます。今夜はここのバイオリンコンサートを予約していたのです。
jpeg 【神戸ゴルフ倶楽部】
支配人とかキャプテンのお話をうかがいます。まさに阪モダの歴史です。そしてヴォーリズさんの建物ならではの ギミックを紹介してくださいました。窓が上下に開閉されます。ワイヤーや滑車を駆使した設計。いまでもとても スムーズに動くのです。さすがっ!
jpeg 【神戸ゴルフ倶楽部】
ロッカーも味があるなぁ。
jpeg 【神戸ゴルフ倶楽部】
メンバー専用のダイニングで金関環(かなせきたまき)さんのすばらしいバイオリンコンサートでした。撮影禁止で写真は ありません。バッハから始まってビバルディなどのクラシック。そして情熱のラテン系、さらにボサノバにいたるまで いろいろな曲を目の前で演奏してくださいました。実はヴォーリズのクラブハウスに入りたくて、それが目的で予約した コンサートでしたが、実際に聞いてみてすっかりファンになりました。また必ず来ます。そして金関さんのコンサートも チェックします!ありがとうございました。マジ感動しました。またヴォーリズのお陰で世界が広がったよ〜。恐るべしヴォーリズ。
jpeg 【六甲ケーブル山上駅】
夜景も見ました。ちょっと霞んでいますね。
jpeg 【天一】
というわけでおいしいラーメンでおしまい。以上、阪モダ20はヴォーリズとバイオリンでした。
阪モダの研究は、とても奥深く、そして世界観が広がっていくのに手軽にできるすばらしい遊びです。 完全にハマってしまったようです。今回はその20でしたが、きっとその100ぐらいまで行くと思います。 これからも気長におつきあいください。いつもご閲覧いただきありがとうございます。 (阪モダコンプリスト更新)

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